コミックスクール講義録



※第1回※


コミックスクール先生の第1回目の授業内容はまず『起承転結』は『だいたいこう描けば他人にわかる』一般的了解であるという説明から始まりました。人のために描く・特定のファンを掴む・思春期の読者のために描くことがメジャー誌の心得だということ。『言葉』『形』『心理』は仏教用語の『身口意』と共通する。アドバイスとして『現実にあるものから人間の目を通して個性を出 すのが一番』『常識的に』との事でした。
次に『発想』について、『思い出深い事』(小さい頃読んだ本・絵本)・『現実の事』(泣いた事)などをアイデアに。漫画とは例え話であり、例える前の本当の気持ちが大切である。心を描く・何を描くか、自分にたいした上手くかけるか・どういうときに漫画を描きたいのかという事が大切。漫画になっていないものに挑戦する。山田先生の場合、『年齢も境遇も自分と同じに描いていた』『自分のことしか描かなかった』『大嘘を見せたかった』とおっしゃってました。『人間は他の動物と違い、人の心を覗いている』などなど、先生らしいですよね。
関沢新一のゴジラ映画の脚本やカットバックの話もされていました。


※第2回※


第2回目の講座です。
テーマ(主題)を決めてストーリー・状況・プロットをつくる。『ジャンル』という形を借りると一番表現しやすい。先生の場合『お耽美』ゆえに手は抜けないとのこと。感覚的なものは結論づけにくい。
BUT、川崎ゆきお先生のような『一代限りの芸』(天然記念物)の反則技がある。(変わっているけど魅力がある。何がいいたいのかわからない。本人もわからない。でも、こんな感じ・・・というような面白さ。)
自分が思ったことを正直に描き出すのが一番いい。恥ずかしくってもやってみよう!!プロレス技と一緒!!(?)

『顔』の描き方。おでこ・目・眉・鼻筋・生え際・耳・鼻の下の影・口・輪郭など。前髪がかかっている方の目は少し下げて描く。左右対称に書くより、少し歪ませて描く方が良い。似顔絵でキャラクターをつくる。得意なジャンルをつくる。あおり顔は視点を決めて。うつむき顔は鼻の線が顎から出るように。ウルトラマンの原理?
『背景』人物を浮かせる。そして馴染ませる。パース。脇役などもどれだけ細かく考えられるか、人物と接していればいい。
『コマワリ』見せ場をつくる。(松苗あけみ先生を例)間隔。小さいコマのほうが目が移りやすい。大きいコマは時間の流が大きくなる。ページの中の分数を数えてつくる。見せ場は左側に持っていくと効果的。フキダシは段々にして視線を多く動かすように組み立てる。
3年に一回言いたい事を吐き出すと長続きする。

※休憩※


山田先生とひさうち先生と川崎先生とスクールの何人かで飲みに行った事があります。お店の名前がどうしても思い出せないのですが、京都の地下鉄五条の烏丸通沿いだっかと思います。横尾忠則作の坂口安吾の版画が掛けてあったのだけ覚えています。
ひさうち先生がリードして喋っていたので、山田先生は静かにされていました。先生は実家の商売のおかげで布を触ればそれがどの位の物かだいたいわ かるとおっしゃっていました。
手持ち無沙汰に私のクロッキーに煙草をくわえた小悪魔くんを描いて下さいました。(描いてくださいって言った訳ではなかったのですが・・・)感動ものです!!そう言えば先生は筆ペンを持ち歩いていました。
私は毎回講座のたびに1冊ずつサインをしてもらっていたのですが、絶対に版数を調べるんですね。カフェ・ド・マキニカリス以降は1版目だから良かったけど、特に人魚は『ふん、ふん』と、一人で納得されていました。緊張した〜。

※第3回※


3回目の講座です。(メモを見て8年前を思い出しながらなのでこれでも異常に時間をかけているのです・・・。)喜んでもらっている人がいると幸せです。実習を交えてなので要点だけ書きます。
●漫画を描くことはエスカレーターの踏み出しに似ている。つまりは慣れなのだそうです。
●写植にすると文章が流れる。
●山田先生の自作の点数は7割位?
●ひさうち先生について、ヘリクツを本当のように描く、話と絵が違っている意外性が面白い。
●『トレース』婦人雑誌をみて服のしわを勉強。そのまま描くのではない。
●建物の描き方。カラー写真を白黒にコピーして影のつけ方や素材感を。
●やすいトーンの使い方。コピーを繰り返してをパターンシートにコピーする。(葉っぱや木目や服など)
●キャラクターについて・・・変な人は身近にいる!! 例>おおやちき先生の『回転木馬』
●実習・・・5人のキャラクターに1人加えてストーリーをつくる。
○『流行通信』という婦人雑誌でイラストを2回描いたと聞いたのですが・・・間違いだったらごめんなさい。
○ちょっと慎重に書きます。心理学で登場人物のうち誰か一人を好きになるように分析されたキャラクターを使った有名な漫画がある。そういう人の心理を利用した作品は卑怯だ。
○先生のキャラクターを真似して有名になった人がいる。

※最終回※


先生の最終の講座になります。
●コマワリ  少年漫画や少女漫画によってスピード感が変わってくる。
       台詞と間と適当な夢心地・現実感が必要。
●タイトル  アマチュアはタイトルから先に決めると良い。
       ラストから描いていく。
●ストーリー サイドエピソードを入れると効果的。
●1日1作  1つのテーマを何パターンも考える。
       自分の癖や好きなものがわかる。
       メンタルな話は自分の絵柄とオリジナルストーリーで。
●カストリ雑誌 カストリ=3合で酔いつぶれるというお酒=すぐにつぶれる雑誌
        戦後文学など『青年』 対 谷川俊太郎の言葉遊びの概念
●米朝の落語講座『生き肝』『頭ヶ池』の話。
●アガサ・クリスティー『愛の失踪』の話。
死ぬ瞬間、1.5オンス程軽くなるらしい。
『夢の中の人生』と『本当の人生』は同時進行で、結局交わって死ぬ。
以上で最後です。メモ書きからの掘り起こしなのでよく分からないところもあったと思いますが、勘弁してください。
ひさうち先生の紹介でインターナショナルアカデミーのコミックスクールで講師を担当。コミックスクールは3期で終了。(多分、人数が少なかったため打ち切り。)インターナショナルアカデミーに問い合わせたところ、先生は2・3期を担当いずれも生徒は10人前後と思われる。
先日、菜露様のお話だと3期しか担当していないとのこと???貴重な生徒だったことは間違い無いようです。
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作品目録1漫画・イラストなど、まるごと一冊先生の作品のもの
作品目録2表紙絵・挿絵・ジャケットデザインなど
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