「伝奇だ!魔界だ!チャンバラだ!-トークショーと伝奇ホラー時代劇鑑賞の午後」
朝松健&山田章博両先生トークショー



文=菜露様・初音むつなさん・Junさん
(砥部が編集)

さて4月25日(日)に新宿歌舞伎町・ロフトプラス1にて朝松健プレゼンツ

「伝奇だ!魔界だ!チャンバラだ!-トークショーと伝奇ホラー時代劇鑑賞の午後」

という長いタイトルの催しがありました。菜露様によりますと、「ロフトは十年程前、ビートロックブームの頃と様変わりしてさらに狭くなってました。(^^) そのせいか、はたまた6時起きで既にだれていた山田センセのかもしだすオーラのせいか(^^;)実にアットホームな集いとなりました」とのこと。
このイベント、全体の構成としては3つのパートにわかれていました。まず朝松先生特選のチャンバラ映画鑑賞会、ついで朝松・山田両先生のトークライブ、そして両先生への質問コーナーといった具合です。因みに、ゲストの予定だった竹河聖先生はご多忙のため、欠席なさったそうです。
イベントそのものは無料だったのですが、スタッフへのバイト代 + 両先生へのお手当てという事で、一人あたりワンドリンク + おつまみ代として1200円、プラス追加注文のドリンク代等をお願いします、という事でした。観客は40名ぐらい(目測)で、会場の大きさを考えると混んでも空いてもいなくて、ちょうどいいといった感じでしょうか。

予定の午後2時より多少遅れての開演となりました。スーツ姿の朝松先生と黒い服にグラサン、それに茶髪といういでたちの章博先生が登場。記者会見場のようになった壇上に上がった朝松先生が、開口一番
朝松先生(以下「朝」)「ぜんぜん進行とか決めてないんですけど」
と言うと、すかさず章博先生が
山田先生(以下「」)「質問コーナーやりましょう!質問コーナー!最初にやっとくと後が楽ですよ!」
いきなり,かなり投げやりです。朝松先生は大慌てで
朝「い、いや、まずはビデオを見ながらバカ話を・・・」
と、しどろもどろ。何とか気を取り直そうと冷や汗をぬぐった朝松先生が
朝「そ、そうだ、何か飲みますか?いやあ、なんか自分ちのお茶の間に友達を呼んでるみたいだ」
と言うと、章博先生は会場を見まわして
「こんなに広いんですか?」
とクールに一言。可哀想に、朝松先生はなおさら焦っていらっしゃいました。始めからこんな調子で、以下、殆どの会話が「朝松先生が盛り上げようとしゃべる」→「章博先生がそれを膨らます」→「朝松先生が調子にのって脱線した話を続ける」→「章博先生が「えーっと・・・そういう事を話してていいんですか?」とクールにつっこむ」→「朝松先生慌てる」というパターンで成り立っていたように思います。この先、まるで朝松先生が章博先生にいじわるされているように思われる箇所も、もしかしたらあるかもしれませんが、これは由緒正しいボケとツッコミの役割分担というものです。さてさて、今回のこのイベント、「BofE」を盛り上げようという趣旨で企画されたとのことだったのですが・・・
朝「残念ながら、スコラさんのほうがあれしたという噂が・・・」
「いや、噂じゃないです。既成事実です」
とまあ、どこまでもクールな章博先生でありました。まあ趣旨はともかく、今回の呼び物である朝松先生特選のチャンバラ映像の方に、話を進めていきましょう。これは、両先生の背後にスクリーンがおろされていて、観客はそこに映し出される朝松先生特選の珍妙な時代劇の数々を見つつ、両先生が手元のモニターを見ながらそれらにコメントするのを聞く、という趣向になっていました。
紹介された作品は、市川雷蔵主演の道鏡もの、「隠密剣士」映画版・TV版、戦前の自来也もの、白土三平の「ワタリ」実写映画版、「どろろ」、中代達也主演の「大菩薩峠」、「子連れ狼」映画版、三船敏郎主演「無法街の素浪人」、竹中直人主演「腹切都市」などなどのおいしいシーンを朝松先生が編集されたものでした。それぞれ映像を見ながらでないと何がなにやらという気もしますが、印象的だったコメントを書き記してみることにします。

「市川雷蔵主演の道鏡もの」
「ラスプーチンぽいですね」
朝「そうですね。ラスプーチンを意識してると思います」
(市川雷蔵演じる道鏡についてのコメント)

「隠密剣士」映画版(予告編2本)・TV版(昭和30年代のヒット作(?)「TVで見てました」との事)
「この頃の時代劇は墓場で火薬使ってもよかったんですね。仮面ライダーが石切り場で戦ってたことを思うと、おおらかな時代ですね」
朝「ええ。卒塔婆ひっこぬいたり、墓石を蹴倒したりしてますからね。やりたい放題です」
(忍者たちが墓場で戦いを繰り広げるシーンについてのコメント)

「戦前の自来也もの」(自来也とネズミ使いの妖術合戦。朝「特撮が現在のように発達していない頃の妖術の表現なんかに注目しててください」)
「歌舞伎みたいですね」
朝「ええ。衣装やメイクも歌舞伎です。歌舞伎の記号と映画の記号を組み合わせた、いわば立体歌舞伎ですね。地方でなかなか本物の歌舞伎を見られない人たちに喜ばれたでしょうね」
(カラーでやったら凄かろうと思われる豪華絢爛な立ちまわりのシーンについてのコメント)。
「すごい煙ですけど、ふたりは大丈夫なんですかねえ?」
朝「善玉のふたりは大丈夫ってことで」
(自来也の巨大ガマが敵をやっつける毒霧を吹いているシーンでのコメント。章博先生は、こういう映画を普通に見たいときには絶対持ってはいけないタイプの疑問発言が多かったように思います)

「ワタリ」(朝「一生懸命漫画のキャラに似せようとしてるのが偉いです」とおっしゃってました)
「これは赤影よりも後ですか?」
朝「いや、赤影より前です。赤影に使いまわされてるセットもいくつかあるみたいですね」
(敵方の城でのシーンについてのコメント)

「大菩薩峠」
朝「これは数ある大菩薩峠の中でも特に残虐なやつです。わたしはホラーだと思って見てました」
「斬りまくりますね。新撰組は全滅ですね」
朝「全滅です。というか隊士よりも斬られた人数が多いんじゃないかという。あ、ほら、どうしようもなくなった敵が座布団を投げつけるというのが、なんかリアルですよね」
(主人公・机が新撰組にひとりで乗り込んでいって、斬って斬って斬りまくるシーンについてのコメント。敵方が全滅したら映画も何の説明もなく終わるというのが、なかなか衝撃的でした)

さてこの後、あのうば車は実はあんな秘密兵器だったのかという驚きの「子連れ狼」や、藤岡弘主演の珍妙なアメリカ製サムライ映画、あるいは日本・スペイン合作の狼男時代劇などあったのですが、あんまり面白かったので画面の方に集中してしまい、両先生の解説はすっかり耳を素通りしてしまっていました。というわけで、チャンバラ映画鑑賞会編はこの辺り迄。因みに朝松先生イチオシの「四谷怪談」まできたところで上映の方は一旦休憩に入ってしまい、時間の関係でその先は見ることができなくなりました。

休憩後の午後3時40分すぎ、章博先生の後のスケジュールが詰まっているという事で、上映会は中断したままイベントはトークライブに突入しました。内容的には、概ね前回ご紹介のチャンバラ映画上映会をうけてのもので、
朝「色々見てきましたが、山田先生はお好きなチャンバラっていうと?」
「これ一本って挙げられないじゃないじゃないですか、チャンバラって。妖術とか忍術とか、お色気とか色んな要素が入ってくるから、ひとつには決められないですね」
というのが最初のコメントでした。以下、トークの断片を羅列していきます。

朝「時代ものの血って黒くてどくどく流れるんですよね」
「たぶん黒なんでしょうねあれは。赤じゃなくて」
朝「ああなるほど。最初から黒いものを使ってるわけですね」
(怖くて印象に残っている時代物という会話から派生した、モノクロの頃の映像についてのコメント)

「今のガメラシリーズが始まる前に、「大魔神」をやるっていう話があったんですよ。脚本を公募して。「大魔神」って大魔神が出てくるところを除けば要するに時代劇じゃないですか。いま、時代劇の脚本をちゃんと書ける人がいないんですかね。若い人に」
(前後の経緯は忘れましたが、「大魔神」がなぜ製作されなかったのかというコメント)

朝「私もずいぶん失敗してますからね。昔、富士見ファンタジア文庫で「大菩薩峠の要塞」というのをやったんですが、一般受けしなかったんですよね。大菩薩峠に高射砲があってという話だったんですけど」
「映像のインパクトっていうのもありますもんね。それがどういうものかっていう説明を読んでいる間に、テンポが切れちゃうことがあるじゃないですか。文章だと」
(前出の時代ものの脚本云々を受けた両先生の会話から)

「親父が子供の頃、田舎で映画のロケがあって、ピアノ線を建物から建物に渡したんだそうです。空中を走るっていうシーンでね。・・・死んだそうですけどね。落ちて」
(昔の特撮についての会話でのコメント。こういう怖い話も淡々と語ってらっしゃいました。

「大五郎は、あのうば車の機能をよく知ってますよね」
朝松先生「よくわかってますよね」
「大五郎だけで、何人殺してるんでしょうか」
(「はぐれ狼」についてのコメント)

「伝奇ホラー時代劇というのは、ある種のファンタジーですね」(前後の経緯不明)

「ジョン・バルマーの「エクスカリバー」なんかを見ると、西洋の剣っていうのは鈍器みたいなんだけど、日本の刀っていうのは斬る痛みですよね。カミソリみたいので」
朝「痛そうですよね」
「あのー、セロハンテープの切るやつを、落ちてるのを知らずに踏んづけたような痛みですよね」
朝「踏んだんですか?」
「ええ」

「忍者が喋らないのがいいですよね」
朝「最近は喋りますか?」
「「追え!」とか「待て!」とか言うじゃないですか」
(「隠密剣士」についてのコメント。当時はBGMなしで殺陣のシーンが展開されていたことについての言及もありました)

「ドイツの戦車に使いたいって、科学者が何人か来たっていう話もありますよね。弾を跳ね返すって」
朝「じゃあ刀身で銃弾を跳ね返すっていうのも、あながち間違いというわけでもないんですね」
(日本刀についての会話から)

「昔小学校に忍者来ましたよね!来ませんでした?忍者の子孫とか言って」
朝「いや、私は知りませんが」
「来たんですよ!毎年。子供を並べておいて、ぽんって押すとみんな倒れるっていうのとかやるんですよね。友達疑いましたよ。「全員サクラだ!」とか思って。・・・それで人間関係が損なわれたっていう」
朝「それ同じもの台湾で見たことがあります」
「忍者をですか?」
朝「いや、要するに奇術師なんですけど。気功術っていうやつですね」
(忍者についての会話から。小学生の時に出会った忍者の話をする章博先生はなぜかとってもハイテンションでした)

「指がぜんぶ落ちても泣かないというのが、忍者らしいですよね」
朝「(「大菩薩峠」で)新撰組は泣いてましたよね」
「指がばらばら落ちるとか、そういう話、好きじゃないですか?」
朝「いやあ、指はちょっと」
「痛いですか?「仁義なき戦い」で、朝の地下鉄の階段に生首が落ちてるシーンなんかありましたねぇ」
朝「私は極道ものは見ないんですが・・。まあ首が飛ぶのと指が飛ぶのとだったら、首が飛ぶほうがいいですかね。」
「なるほど、首が飛んだらとりあえず死んじゃうから痛くない、と」
朝「そうそう。指だと痛いですからね」
「でも、その時何が見えてるかとかって興味ありません?飛んでる首から。「うわー、俺の首の断面汚ねぇー」とか」
朝「私ね、前に開頭手術したんですよ。見えてるんですよね。自分の脳みそが。で頭に穴あけたまま寝なきゃいけなかったんですけど、「絶対横向かないでください」と言われまして。脳しょうがこぼれちゃうから」
「固定とか はしてないんですか?」
朝「手足はしばられてるんですけど、頭は固定されてないんです」
「危ないじゃないですか」
朝「危ないんですよ(以下、朝松先生の入院中の楽しい逸話が延々と続きますが、長くなるのでカットします)それでわかったんですけどね、脳しょうって横になるくらいじゃこぼれないんですよ。かなり粘着性があるんですよね、あれ」
「えーっと、そういう話を続けてていいんでしょうか?」
朝「え、あ、いや、どっからこんな話になっちゃったんでしたっけ(あわてる朝松先生)」
(だいぶカットしましたが、実は朝松先生の開頭手術のあたりが、このトークライブでいちばん楽しいところだったりします)

朝「さてビースト・オブ・イーストの今後の展開は?」
「言えませんよ、そんなこと。編集そこにいるのに・・。ただ、あれは2巻でおわる予定だったんだけど、3巻ぐらいにはなりそうですね。思ったより長くなっちゃった。あと250とか300ページぐらいですね。・・・で、わたしあれで編集長にほめられたんですけど「よく6Pとか7Pとかで連載ができている。破綻してないじゃないか!」と・・・結末の決まった話ってきついですよね。忠臣蔵なら討ち入りとか、九尾の狐ならどうなるとか、わかっちゃってますからね。あとはひっくり返すか、決まった結末に自分なりのオリジナリティを加えるかしかないですからね。多分後者になるんじゃないかと思いますけど」
朝「私は反って、結末決まってた方がいいんですよ。討ち入りなら討ち入りっていう目標が立てられますから、そこに向かって書いていけばいいっていう」
「そりゃあまあ、そういう部分もありますね」
(この辺りから、やっと作品の話に入ってきました)
朝「よくあるじゃないですか、あるキャラクターに人気が出て、ファンレターとかきて「この人をもっと出してください!」っていうのが」
「やなこった!ですね。出してあげない」
朝「わかりますね。そうですよね」
「わかるんですか?いけないですよ。サービスしないと」
朝「え、あ、いや、それは(またまたあわてる朝松先生)」

「藤岡弘のビブリオグラフィーには残ってるんでしょうか、あれは。あるじゃないですか(昔やった仕事で)見て欲しくないっていうのが」
(前回紹介の謎のアメリカ製サムライ映画についてのコメント。章博先生にもやっぱりそういうのがあるんでしょうか)

と、ここまできたところで章博先生に緊急連絡が入り、かなり巻きが入っているということで急いで質問コーナーに入ることになりました。質問をした人には山田先生、朝松先生そして、飯野先生のお三方のサイン本『秘神』、もしくは朝松先生のサイン本『夜の果ての街』を頂くことができるという企画のものでした。両方とも4冊ずつ。もちろん早い者勝ち。
朝松先生のファンの方には申し訳ないですが、文書の減量化のため内容は章博先生関係だけにしてしまいますね。
朝「折角山田先生が京都からいらっしゃっているので・・・」
「朝松先生に質問をどうぞ!」
朝「え、あの、いや・・・(おろおろ)」
章博先生は時を経るに従い口数が増え、またデンジャラスになっていかれるようでした。
質問者「全集が出るというお話を伺ったんですが、それには画集も入るんでしょうか?」
「え?全集?何の話ですか?」
質問者「あの、このあいだ出た紅色魔術探偵団にそういう風に・・・全20巻って・・・」
章博先生「ああ・・・日本エディターズのやつですか。いや、僕は何もしませんよ。編集者さんが何かするんじゃないでしょうか?全50巻?そんなにありません!全20巻?そんなにも出してません!なんかペラペラのやつなら、20巻ぐらい出るかもしれないですけど全10巻?版権とかもありますからねえ・・・難しいんじゃないでしょうか。あなたのおっしゃるような画集というのは、その中には含まれていません。どこかに行ってしまって手元にないものもかなりありますし、記録をとっているのがあったり、とっていなかったりするのもあったりしますから・・・だから全部をまとめるというのは、まず無理だと思います。ただ画集みたいなものは・・・来年、できれば今年で出したいな、とは思っています」
質問者「あのお、朝松先生の作品で確かアイヌの少年のやつがあったと思うんですが、あれはどうなりましたか?」
朝「「ノーザントレイル」ですね。実はこれは、イベントの最後に発表しようと思っていたんですが・・・年末、朝日ソノラマのネクスト文庫から出ます!おそらく上下巻で。「ノーザントレイル」というのは実に可哀想な作品で、丁度バブルの崩壊に巻き込まれて中断してしまったんですが、朝日ソノラマの編集長も大変それを気にしてくださっていて「あの時は本当に申し訳なかった」と言って来て下さったんですね。まあそんな訳で、殆どの部分に手を入れた恐らく(原稿用紙で)千枚超の完全版として出ます!もちろんイラストは山田先生で!」
※編集注−2002年3月現在、出てません!
質問者「「ビースト・オブ・イースト」の続きというのは・・・」
「さっき聞いてましたか!?言ったじゃないですか、さっき!聞いていなかったんですか!?」
質問者「いえあの、スコラの方がつぶれてしまったということなんで・・・書き下ろしで出るんでしょうか・・・?」
「書き下ろしですか?書き下ろしは基本的にムリです!残り200枚から300枚、とても無理です!」
質問者「じゃ、じゃあ・・・」
「連載しますよ!まだどこで出るかは秘密ですけど。ぜひ残り200枚から300枚ぐらい・・・出してくれるところがある限り!やる気のある限り!体力の続く限り!・・・死なない限り!・・・がんばります!!」
質問者「ロードスの方はどうなっているのでしょうか?」
「あ、それは・・・担当者がそこに来ているので、担当者に答えてもらいましょう」
編集N氏「ザ・スニーカー編集部のNと申します。30日発売の「ザ・スニーカー」6月号より「ファリスの聖女」新連載ということになっています。わかりやすいように、表紙も山田先生です。あと口絵も書き下ろしです。5日後発売です。よろしくお願いします!」
「Nさん明日から人気者ですね。えーっと、ロードスの方はあと残り90枚ぐらいです。だから、こちらはきちんと2巻で終わります。体力と精神力をかなり使いますので、じっくりと、なるべく描ける時に描いていく、とそういう事になっています。よろしく」
Junさん「朝松先生の富士見ファンタジアの本は手に入るんでしょうか?」
朝「他の出版社が拾ってくれたら」
Junさん「山田先生は今年ゲームを4作出すそうだが、『ミスティック』と『マーメ』と『ミッション』と最後の一本はなんですか?」
「今は言えませんが、有名なゲームなので期待して下さっていいですよ」
Junさん「ハードの機種はなんでしょう?」
「PSです、はい」
Junさん「ギャルゲーを作りたいとおしゃってたとかで、企画はあるんでしょうか」
「えっ、そんなのどこで聞いたの、君は?ああ、森さんの本か、そうでしょ?しょうがないなぁ。うん、企画が出たら。人間も40すぎると色々と迷うことがあって・・。ここらで花火打ち上げたいな、と。死ぬ前に。みためが若いうちにやりたいんだけど、企画が出ないとなぁ。今は忙しいしね。ところで、君はギャルゲーが出たら買いますか?」
Junさん「買います」
「そうですか、それじゃ元気だったらやりましょう(と、苦笑なさる)」
初音さん「朝松先生と山田先生が組んでやられたお仕事というのは、「ノーザントレイル」と「妖術太閤殺し」以外に何かありますか?」
朝「えーっと、ないです」
「歌舞伎十八番は、あと何本あるんでしたっけ?」
朝「先代萩をやって、太閤殺しをやって・・・あとは・・・」
「まだたくさんありますねえ」
朝「し、死ぬまでにはなんとか、必ず全部書きたいと思います。いやあ、山田先生にわたしのも漫画化してもらいたいんですけど・・・」
「何ですか?どれですか?新作ですか!?(たたみかけるように)」
朝「し、新作!?(おろおろ)いや、あのお・・・室町ものなんかいいかなあとか思うんですが・・・」
「室町ですか。なぜですか?」
朝「いや、最近室町に興味があって・・・なんかいいかなあ、と」
「そうですか。飽きますよ、きっとその内」
朝「い、いやあ」
初音さん「もうひとつなんですが、前にコミックトムで連載されていた「アラバキ」の単行本化というのは、あるんでしょうか?」
「あります。連載の方はちゃんと完結しています。これ実は連載をリアルタイムでやってたので、ちょっと取材不足なところがありまして、それを加えて・・・大幅に変わるという事はありませんが多少書き足して、という事になります。だいたい今年1年はその仕事に費やす予定、です。来年の祇園祭りの頃に出る・・・かな。そうだ。これもあるんだ。ほら、ちゃんといっぱい仕事してるでしょ?」
初音さん「それは潮さんから出る、という事でよろしいんでしょうか?」
「そうです」
※編集注:2002年3月現在、残念ながら出ておりません。この秋に出る−と菊地先生のサイトで発表されたとか。

と、まあこんな風に質問コーナーは恙無く行われていきました。実は最後に1冊サイン本が残ってしまいかけたのですが、「何でもいいんですよ!仕事のことじゃなくても!誕生日とか!!親父の名前とか!!」と言う、章博先生のハイテンションな発言の末、最後にという事で質問した方が2回目の質問だということで辞退されると、章博先生が「いらないというのか!?本がいらないというのか!?」と迫って無理矢理本を持っていかせた、というオチ付でした。
なおその後もしばらく両先生のトークは続き、
朝「いやあ、だいたい同時期に病に倒れるんですよね。アストラル体がつながっているんじゃないでしょうか」
「いや、アストラル体がつながっているんだったら、そっちが太るとこっちがやせるというやつでしょう」
などとおっしゃているあたりでタイムアップ。午後4時の予定より40分ばかりオーバーして、トークライブは無事終了となりました。

因みにこの日イベントの後、エニックス社において「ミスティックア ーク1&2全ワーク集」インタビュー&写真撮影がありました。更に山田センセイは翌日の夜までミーティングやインタビューなど仕事がめじろ押しで東京にお泊まりだったとのこと。ご苦労様でした。


扉へback
作品目録1漫画・イラストなど、まるごと一冊先生の作品のもの
作品目録2表紙絵・挿絵・ジャケットデザインなど
掲示板へのご記入 山田 章博先生について何か言いたいことがある方、ここにない情報をご存知の方、是非。
掲示板のページへ

ジオシティ ホームページ無料提供のサイト。作る方に興味のある方は是非。
砥部粧 E-mail : chapter@orange.ocn.ne.jp
が全文責を負っています。
ジオシティーズの入り口へ このコミュニティの入り口へ ご近所を訪問する