漫画実技講習会レポート
それは、2004年元旦のことでした。2月にある同人誌即売会「つるかめ雑貨」のサークル参加証に同封されていた
手紙に『つるかめの前日2月7日に山田章博さんが高知に来ます。高校生の為の講義の講師として呼ぶ事が決まった
と言ってました。
大人数人なら混じっても大丈夫と言ってましたので興味がありましたら黒コンの事務局へお電話ください』と・・・。
正月早々、歓喜の叫びをあげてしまいました!
憧れの山田先生に会えるなんて!!
十二国記で同人活動を続けてて良かった!
電話をして、詳しい事を教えてもらってから・・・ついにその日がやって来ました!
山田章博先生と「ツルモク独身寮」とか昼ドラの「ショコラ」の原作の窪之内英策先生の漫画実技講習会なんですが、
正木秀尚先生も参加されてました。
高知出身の漫画家に、高校の漫画イラスト関係のクラブに所属している生徒が講習を受けるという内容で、毎年開催されてるようです。
昨年は正木先生が講師として来られていたようです。
山田先生はジョン・レノンみたいでカッコよかったです〜♪
タバコを吸われるので、京都から高知まで新幹線と特急列車で来るのは大変だったそうです。
まずは先生方の対談で、漫画家になるきっかけ等のお話、その後昔描いてたアニメや漫画のキャラクターというので、
ホワイトボードにさらさら〜と鉄人28号を描かれる所を生で見てしまいました!
「時間の無いときは下描き無しで描きます。締め切りがやばくて、新幹線の中で描いたこともあります」という衝撃発言が!
びっくりしてしまいました。
その後は質疑応答。
「楽俊みたいな動物キャラを描くコツは?」みたいな質問には「基本は動物なので、擬人化しても動物の特徴を意識して描く。そのためには観察をすること」とか言われてたと思います。
「今スランプなんですけど、先生方がスランプになった時の脱出方法は?」との質問には、質問した生徒の今の状態とかを
詳しくきいた後で「それはスランプじゃない。本当のスランプは、まったく何も描けなくなるんだよ〜」と窪之内先生の実体験を
語ってくれました。
「努力をしないで漫画が上手くなる方法はありますか?」なんて質問にも悩みながら答えてくれました。
「そんな方法があったら、こっちが教えてほしいです」と苦笑されてました。
背景を描くときのパースの取り方とかも、ホワイトボードに描きながら説明してもらえたり、実技的なこと等いろいろ聞けました。
質問の手を挙げた生徒のところに先生たちがマイクを持って行ってくれたり、凄く真剣に答えてくれて嬉しかったです。
昼前に「自分の持っているオリジナルキャラクターを描いてください」との課題が出されて、昼休憩になりました。
休憩中、山田先生の生原画を見れたんですよ!!
それも硬質クリアケース?に挟んでいるのを手にとって見ることができました。
ロードス島戦記、ミスティックアーク等のイラストが数枚あったんですが本当に美しかったです!
『山田章博の世界―ミスティックアークアートワークス』の表紙の原画が見れて感動しました!
カラーも美しいですが、なんかね〜、鉛筆描きのイラストでも完璧なんですよ!
昼からは、「そのキャラの過去、未来の姿を描いてください」「キャラのいる背景を描いて、見た時にキャラのことがわかる
絵にしてください」という課題が出ました。
これらの課題について「これはキャラには過去未来があって、履歴書を書けるくらいしっかりした人物設定を作る為と、
ただ笑ってるだけの絵ではなくてキャラのいる世界観のわかるイラストを描く力をつける為に描いてもらいました」とのこと
でした。
絵を描いてると先生方が横を通って見るんだよね(汗)
その後山田先生は透写機?でスクリーンに映した原画を見せながら、どうやって描いたか解説もしてくれましたよ♪
『山田章博の世界―ミスティックアークアートワークス』の表紙は、挿絵画家アーサー・ラッカムを意識して描かれたらしく
「いろんな絵を見ることも絵を描くことに重要」と言われてました。
そしてキャラクターデザインをされたコーエーのゲーム「西遊記」のイラストを見せながら、その時の秘話を。
キャラクターデザインを描いて開発担当者に見せた時に「社長に見ていただいてOKが出たらこのキャラに決定します。
うちでは社長に見せてからOKが出ないと採用しないんですよ」と言われたそうです。
「じゃあ、アンジェリークの守護聖様も社長に見せたんですか?」と思わず質問してしまったそうです。
「あれは・・・社長に見せずに決定しました」と言われたそうです。
見せてたら、社長好みの守護聖様になってたかもしれないですね〜。
窪之内先生は春にヤングサンデー?に載る予定の原稿を持ってきてて、見せながら解説をしてくれました。
漫画家さんのまだ描いている途中の原稿なんて、めったに見れないので嬉しかったです。
このコマで読んでる人にこう思ってもらうとか、読み手のことを考えて描いてるのが凄くわかりました!
何をやっても不幸で運に見放された少女がジャンケンにだけは必ず勝ってしまうというお話で、本当に面白かったです!
絶対読みたいな〜・・・。
あと、窪之内先生が「古本屋で漫画を買われると、自分達にはお金が入ってこない」と言っていました。
出版界で漫画の売り上げが落ちている大きな原因だそうです。漫画家さんには一番痛い事だと言ってました。
皆さん!漫画はちゃんと本屋で買いましょう!
あと、プロと趣味の漫画描きの違いとか熱く語ってくれました。
10時から予定をオーバーして4時半位まで凄く楽しかったです。
とにかく描くことだそうです!
漫画やイラストには才能なんて無い。全ては努力だそうです!
もう頑張りますぞ〜!(・・・と思ってから数日・・・全然描いてません。反省)
↓こちらは講習会で配布された資料で、宝物になりました。講習会で描いた私のヘボイラストも写ってますが・・・。
↓これは講習会で描いたイラストにコピックで色塗りしました。これを先生方に見られたと思うと・・・(恥)
←マジックに失敗すると耳が大きくなっちゃった!と誤魔化す少女。肩にはラッキー(笑)
←部屋を掃除してたら講習会のパンフレットを発見したので画像を追加しました。
こんにちは。 山田先生の漫画実技講習会のレポートへのリンク、ありがとうございます。 皆さんに読んでいただけて、凄く嬉しかったです。 必死で記憶を辿って、なんとか色々思い出せました。 高知県は漫画に力を注いでいるので、この講習会も教育委員会が主催だったみたいですよ。 毎年高知出身の漫画家さんを呼んで講習しているみたいで、翌日の高知新聞には写真入で記事になっていました。 私は一般での見学って感じだったので、質問している高校生がうらやましかったです。 あと●年若ければ色々質問したんですけどね〜。(04/09/23 00:01:39 るりさんから掲示板にいただいたコメントを追記) ◇